ただ貼って塗って…なんですけど、実は深く難しくもあり、プロモデラーでもなるべくマスキングをしない…なんて人もいる位、敬遠される作業ですが、駆使出来る様になると武器になる事も事実です。さぁ、やってみるか…となっても、どうしたらいいか…失敗したら…と言うのも無理はありません。圧倒的に経験が無いのですから…しかし、失敗こそ成功の糧です。失敗しても修正が出来るのも模型製作のイイところ。大概の失敗は修正が出来ます。後は情熱と根気です。何とかなるモンです。トラブルシューティングも含めてご紹介します。

模型製作が戦略的なのと同じで、マスキング作業も非常に戦略的です。マスキングテープを闇雲に貼ってはいけません。ここでマスキング作業の戦略を練る為の大原則です。

下から上にマスキングテープを貼って行く

です。どう言う事かと言うと、例えばフィギュアの場合、造形物の一番下に来るのは大体”肌”になる訳です。だから肌から塗り始める訳です。その次はシャツ、その次は上着…と言う具合です。ですから、マスキングの順序も、肌→シャツ→上着と言う訳です。

ここで、塗装の大原則として立ちはだかる”明るい色から塗る”と言うのがありますが、暗い色を先に塗らなくてはならない場合も出て来ます。どちらを優先するかは悩み所です。その場合、迷わずマスキング優先です。大概の場合で暗い色の上から明るい色を塗っても”工夫”をすれば、どうにかなるからです。下にクリアーカラーや蛍光色を塗っている場合でも同じです。いずれの色も下に塗ってあると色滲みしやすいですが、マスキング優先です。

上記の通り、殆どの場合、マスキング優先にする事となります。ですから塗装の順序もマスキングを考えた順序にする必要があります。もちろん、マスキングテープを貼りたくないメタリックカラーの場合も”工夫”で対応します。マスキングは難しい局面に向かい合う事が多いですので、”塗料の性質も知っておく”必要があります。

あと、塗料によってはエアブラシで吹いた方が発色が良かったり、効果が高い、ムラが出難い等の塗料がある場合でも極力エアブラシで塗る様にします。塗る面積が小さくてもです。エアブラシの方が筆ムラも出ないし、塗膜も薄く、薄い塗膜でも発色が良いですから。マスキングの手間を惜しんで仕上がりを犠牲にしてしまうのは愚の骨頂です。

次にマスキングの具体的な手順です。先ず塗り際から時間を掛けて貼って行きます。塗り分けラインに応じてテープの太さ、種類が決まってきます。直線の塗り分けラインなら6mm幅、10mm幅、場合によってはより太いものでもイイでしょうが、6mm、10mm幅辺りが扱い易いでしょう。曲線で曲率が緩めの場合には0.7mm幅が良いでしょう。これらのマスキングテープで先に輪郭を決めてしまい、輪郭を全て貼ってから短冊形にニッパーで切ったマスキングテープの細切れで輪郭の内側を貼って埋めて行きます。で、マスキングする際、ラッカー系塗料の場合、最低でも一昼夜乾かしてからマスキングしましょう。塗膜が薄いのが条件です。塗膜が厚い場合にはもっと時間を置く必要があるでしょう。サーフェイサーを吹き、すぐ色を吹いた場合でも時間を置く必要があります。サーフェイサーは割と完全乾燥に時間かかるものです。蛍光色、クリア系も乾きが遅いのでより時間を置く必要があります。アクリル系塗料の場合には最低でも3日間は置きます。こちらも塗膜の厚さが関係してきます。薄吹きを心掛けましょう。また、アクリル塗料は海外製の製品”ファレホ、シタデル、AKインタラクティブ、MIG等”の方が乾きが速い様な気がします。エナメル系塗料の場合にはラッカー系やアクリル系のクリアーを吹いてからならマスキングできます。

最初に述べた通り、いかにマスキングし易く戦略的に作業するかが重要であり成功の鍵なのです。

上記のまとめです。

失敗こそ成功の糧と思いましょう。

失敗しても何とかなる。

マスキング作業は戦略的に

下から上への順序で貼っていく。

明るい色から塗るは✖︎ 迷わずマスキング優先○

下に蛍光やクリアーを塗っててもマスキング優先

下にメタリックカラーの場合は”工夫”

塗料の色毎の性質も知っておく

面が小さくてもエアブラシで塗る

塗り分け輪郭からマスキングテープを貼る

直線なら6か10mmで。緩い曲線は0.7mmで。

短冊形で輪郭の内側を埋め尽くす。

塗料をしっかり乾かしてからマスキングする。

塗料、色によって乾き方が違う

エナメル系塗料の場合はクリアコートしてから

いかにマスキングし易く戦略的に作業が重要。